すっかり大人のバレエ研究会

バレエが大好き。楽しくレッスンしているうちに、気が付けば“すっかり大人”世代になりました。少しでもの向上もあきらめていませんが、『末永く踊るには』を一番のテーマに試行錯誤しています。

オトナの素直は適性のひとつかもしれない

バレエは、ほんとは身体的な適性があってこそ上手くなるものだと思う。適性のある人にはかなわない。

でも、オトナの趣味バレエは、適性がない人なりの上達の仕方、身体条件以外の適性もあるようだ。

一番大事なのは、自分を客観視できることと、素直さかな。元々、全部が苦手で直すことがいっぱいあると思っていれば、先生の言うことを素直に直そうとする。

いろんな長所がある人、できることが多い人は、それを一度脇に置いておくのが難しくて、先生の注意がなかなか身にならない場合もありそう。得意技がある人は、その技の練習をよくするので、そこは伸びて素晴らしくなる。が、細かなクセを直したりするのは不得意というらこともあるようだ。

身体的適性に欠けるオトナたちは、結果が出るまでは長い時間がかかるけど、時間がかかってもいいじゃないかと腹をくくれば、対元の自分比ではいつか伸びている。ある意味、オトナになっても素直ってことも、ひとつの才能なんだと思う。

そして、いくら時間がかかってもいい、というのが、子供と違ってオトナの良いところ。

できる人や、あっという間に踊れるようになる人を見ても凹まずに、素直に、長く学び続けられるという適性を大事にしていこう。

アレグロのプリエで股関節を折ってなかった件

最近、また『そうだったか!』という、私にできてなったことを発見。

アレグロのジャンプやピルエットなどの前後のプリエ、膝は曲げてても股関節を折る意識、正直あんまりなかったのです。ふと、あれ?と思って、レッスン中に他の人や先生を見比べてみると。

やわらかく、バレエらしく動けてる人は、膝も股関節も折れてて、だから骨盤から上半身がまっすぐになってます。ギクシャクめの人は、膝のみ折って股関節は折れず、だから骨盤と上半身が軸足つま先側に傾いてました。これだから、次の動きがスムーズにいかないんだなあ。

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こういうイメージ

もちろん、私も折れてない人なのでした。だからプリエが浅い!と言われ続けても、なおらなかったのです。目からウロコがポロリ。

なるほどねー。今さらですか?今さらですよね。でも、発見です。これから地道になおします。

大人のピルエットは永遠の課題

ピルエットとアラベスクは永遠の課題だよね、と、同じバレエ教室のとっても上手な友達。まだまだ課題の多い私は、とてもはげまされた言葉。

 

ある日は回れたと思っても、ある日はだめ。

ダメな日は、まず、顔を正面に残して、腕をプロペラみたいに開いて、子供の遊びみたいにグルグルまわる。

それから、4分の1方向を変えて立つルティレでバランスを確認。

それからプレパレーションのプリエを確認。スタンスは広めに、四番をしっかりクロスして、前の脚の足の上に、頭がのっているところで、深く深くプリエしてからパッセしてみます。そのとき、軸足の床についている部分のバランスを感じてみること。

回るときは、明るい気持ちで、笑顔を作って。右回りなら右の腕、左なら左の腕をしっかり開く。びびらない。ダブル以上なら、右回りなら左の肩と脇が遅れないように連れて行く。

バランスを崩しても、顔をしっかりつける!

回転は、ビビらないことが大事。

 

でも、仕事やら何やらで、気持ちと体が縮んでいるときは、体の力を抜いてリラックスして回る。意外に疲れてやる気がないときほど、ゆったりバランスで回れることも。

レッスンで回ることで、自分の体と心のコンディションが分かります。

大人のバレエ発表会に学ぶ

久しぶりに、大人のバレエの発表会を見に行きました。ひとつの教室ではなく、個人でエントリーするタイプのものです。今回も楽しく見せていただくとともに、学ぶことがいっぱいでした。

いつも感じていることの繰り返しでもありますが、メモがわりにまとめておきますと。

 

★笑顔で、楽しそうに踊っている人、踊る喜びが見える人が一番ステキ

★先生に指導されていることをしっかりやろうという気持ちが踊りから見える人は、清々しくて好印象

★手のポジション、顔の方向の付け方が崩れてない人は上品にみえる

★男性とのパドドゥは、男性のことを見て自分から合わせようとしていたり、その男性が好きで信頼してるんだなーということがにじみ出てると、見ていて温かい気持ちになる

★狭めの舞台と会場では、衣装はキラキラ感を控えめに、生地の質感や色味が綺麗だと、ステキ。

 

今回、すてきだなーと思った方は、男性(→これが私の先生で見にいったのですが)とペアでドンキのファンダンゴを踊った人と、ライモンダの夢の場のバリエーションをバレエシューズで踊った人でした。

どちらもたぶんマダム年代で、トゥシューズを履いた踊りではありませんでしたが、誠実に教わったことを形にしながら、でも自分の好きな踊りを、ステキな衣装を着て、ステージで披露しているというワクワク感が出ていて、引き込まれました。

私もレッスンを続けていけば、こういうステキで元気な感じのマダムになって、楽しく踊り続けられるのかしら?という、希望を感じたとでもいいましょうか。

たぶん、大人のバレエ発表会で輝く人は、踊りに、自己満足ではないコミュニケーションが見えるんだと思います。

観に来てくれたお友達や観客に笑顔をおくる、教えてくださった先生との時間がのぞく、一緒に踊ってくださる男性パートナーとのコミュニケーションが見える、など。そして、自分のやりたいままではなく、ダメ出しや厳しい指摘も受け入れているのであろう、大人の心持ちも感じます。

ステージって、ほんとにいろいろ見えるもの。上手だった講師クラスの方の踊りもいいのですが、本当に長く印象に残るのは、そういう踊りなんですね。

それなら、技術もスタイルもない私も、がんばれます。精進しなくちゃと、あらためて思いました。

 

コトの経緯

日本では、大人になってからバレエを習い始め、それなりの年月を続け、今は「すっかり大人」世代になっている人が、かなりの数いると思います。私もそのうちの一人です。

私は子供時代にも習っていたのですが、まったく適性がなく下手っぴなのにお金はかかり続けるという状況に、両親も業を煮やし中1でやめることとなりました。天気の良い日の昼間、母と台所のテーブルを挟んで向かい合い、説得されて反論して泣いたりした後、お互いに話すこともなくなり、黙りこんでいたことを、今も覚えています。

とはいえ、現時点から見ると、両親の判断は間違っていなかったと思います。たぶんあれ以上続けていても、嫌なことや辛いことが多かったでしょう。バレエが嫌いになっていたかもです。あの時続けなかったから、今がある。

その後、10代20代は、学校、部活、寮生活、旅、仕事など、いろんなことに興味を持ち、たくさんの経験をして、幸せに生きてきました。が、心のどこかにはバレエへの未練があったのだと思います。

30歳になるとき、ふと「もう一度バレエをやりたい」と思い、自宅近くにあった教室に、時間と場所の都合がいいというだけで通いはじめました。レベル的には入門同然の状態で、まさに「大人からはじめるバレエ」です。

しかし、あっという間に時がたち、今も偶然出会ったその教室に通い続けています。ここ10年弱は週4回のレッスンをしながら、いつの間にかすっかり大人世代となりました。立派な「バレエおばかさん」です。

仕事をし、自分でお金を稼ぎ、自分のやりたいことを、適性やら将来性やらを問われることなく、自分の判断とペースで続けられる。大人になるって、本当にすばらしいことだと思います。今、大人になりたくないとか思っている子供たち、大人になるって悪くないですよ。

また2011年の東日本大震災の時には、たとえ生存・生活に必需ではなくても、好きなことを定期的に続けることが、どのくらい人にとって大切かということも再認識。

そして…最近の願いは「楽しかった。でも、もういいや」と思う日が来るまでは、末永く楽しくバレエを続けたいということ。

しかし、これからの10年、20年、30年は、「どんどん失っていく時間」に突入です。

若さを失い、体力を失い、筋肉を失い、もともとまったくない柔軟性をさらに失い、痛みのない体を失い、記憶力を失い、理解力を失い、反射神経を失っていくでしょう。

また多くの肉親や友人を失い、会社員としての安定を失い、生活も変わっていくでしょう。

でも、失っていく多くのことと折り合いながら、その時々のバレエを楽しみ続け、「バレエが好きな人生」「下手の横好きを極める人生」を全うするためのあれこれを、同じような気持ちを持つ人と共有したい。

と、真面目で壮大ことを言ってみましたが…。

「すっかり大人のバレエ研究会」では、中高年、いやいや、マダム年齢になっても、バレエが好きで、もうちょっとバレエがんばりたいと思っている懲りない私が、「大人バレエを楽しく続ける」をテーマに、あれこれモロモロを書かせていただきます。

もちろんバレエの専門家ではありませんので、あくまで習っている側としてのアレコレとご理解くださいませ。