すっかり大人のバレエ研究会

バレエが大好き。楽しくレッスンしているうちに、気が付けば“すっかり大人”世代になりました。少しでもの向上もあきらめていませんが、『末永く踊るには』を一番のテーマに試行錯誤しています。

コトの経緯

日本では、大人になってからバレエを習い始め、それなりの年月を続け、今は「すっかり大人」世代になっている人が、かなりの数いると思います。私もそのうちの一人です。

私は子供時代にも習っていたのですが、まったく適性がなく下手っぴなのにお金はかかり続けるという状況に、両親も業を煮やし中1でやめることとなりました。天気の良い日の昼間、母と台所のテーブルを挟んで向かい合い、説得されて反論して泣いたりした後、お互いに話すこともなくなり、黙りこんでいたことを、今も覚えています。

とはいえ、現時点から見ると、両親の判断は間違っていなかったと思います。たぶんあれ以上続けていても、嫌なことや辛いことが多かったでしょう。バレエが嫌いになっていたかもです。あの時続けなかったから、今がある。

その後、10代20代は、学校、部活、寮生活、旅、仕事など、いろんなことに興味を持ち、たくさんの経験をして、幸せに生きてきました。が、心のどこかにはバレエへの未練があったのだと思います。

30歳になるとき、ふと「もう一度バレエをやりたい」と思い、自宅近くにあった教室に、時間と場所の都合がいいというだけで通いはじめました。レベル的には入門同然の状態で、まさに「大人からはじめるバレエ」です。

しかし、あっという間に時がたち、今も偶然出会ったその教室に通い続けています。ここ10年弱は週4回のレッスンをしながら、いつの間にかすっかり大人世代となりました。立派な「バレエおばかさん」です。

仕事をし、自分でお金を稼ぎ、自分のやりたいことを、適性やら将来性やらを問われることなく、自分の判断とペースで続けられる。大人になるって、本当にすばらしいことだと思います。今、大人になりたくないとか思っている子供たち、大人になるって悪くないですよ。

また2011年の東日本大震災の時には、たとえ生存・生活に必需ではなくても、好きなことを定期的に続けることが、どのくらい人にとって大切かということも再認識。

そして…最近の願いは「楽しかった。でも、もういいや」と思う日が来るまでは、末永く楽しくバレエを続けたいということ。

しかし、これからの10年、20年、30年は、「どんどん失っていく時間」に突入です。

若さを失い、体力を失い、筋肉を失い、もともとまったくない柔軟性をさらに失い、痛みのない体を失い、記憶力を失い、理解力を失い、反射神経を失っていくでしょう。

また多くの肉親や友人を失い、会社員としての安定を失い、生活も変わっていくでしょう。

でも、失っていく多くのことと折り合いながら、その時々のバレエを楽しみ続け、「バレエが好きな人生」「下手の横好きを極める人生」を全うするためのあれこれを、同じような気持ちを持つ人と共有したい。

と、真面目で壮大ことを言ってみましたが…。

「すっかり大人のバレエ研究会」では、中高年、いやいや、マダム年齢になっても、バレエが好きで、もうちょっとバレエがんばりたいと思っている懲りない私が、「大人バレエを楽しく続ける」をテーマに、あれこれモロモロを書かせていただきます。

もちろんバレエの専門家ではありませんので、あくまで習っている側としてのアレコレとご理解くださいませ。